「恥の多い生涯を送って来ました」 太宰治「人間失格」の冒頭 自分の生涯も恥が多い 栞と付き合っていた時 恥も多かったけど真っすぐだった あの頃の自分が懐かしい あの頃の自分に戻りたいと、時々思う 今の自分は汚れてしまった 30代はあっという間だった 仕事では何も成し遂げられず 妻には尻にしかれ 毎日気持ちを奮い立たせなければ立っていられないような眩暈を覚える 西八王子のあの川沿い 散歩した公園 「定丸」で過ごした一夜 友人のマンションで抱き合った夜 駅のホームで交わした口づけ すべての思い出が色褪せない この先も恥をさらしながら生きていくのだろう この先、二人の糸が再び交わる時は来るのだろうか そんなことを考えるのも悪くない 衰えた脳でそんなことを考える