バレンタイン当日 事務所の金庫を開けるとメッセージ付きのチョコが入っていた 有沙だった どういうことだろう? 普通に渡してくれたら、何も思わなかったかもしれない サプライズが恋心に変わった それから頻繁にメールをするようになった 他愛もない内容だったけど 毎日が楽しかった 有沙専用の着メロ その音が鳴る度、僕の心は踊った 二人だけの秘密 有沙は一人で僕のマンションにくるようになった 「彼氏は裏切れないから」 そういって有沙は手でしてくれた 遠距離の彼氏とは別れない でも僕とは一緒にいる 有沙はよく笑いよく喋った 長崎の独特のイントネーションがより一層有沙をかわいく思わせた 僕たちが身体の関係を結ぶのに時間はかからなかった 有沙の身体は瑞々しかった きれいなものを汚しているようで罪悪感と背徳感を感じた 僕はどうしようもなく有沙に恋をしていた。 恋はいつか終わるものだと知っていながら いつか目が覚めると知っていながら 少しでも続けばいいと思っていた