本大好きサラリーマンの小説㉙~最低な男~

長崎で多くの仲間に出会った
一人で行けるバーも開拓した
一度、そのバーに部下を連れて行ったことがある。
マスターやママから「美穂ちゃん」と呼ばれているその子もまた
長崎に来て日が浅かった。

夜遅くまで二人で飲んで
帰る時、ママから「美穂ちゃんをちゃんと家まで送ってくんよ」
と言われ送っていった。
あれは、マスターとママと美穂の共謀だったのだろうか。

マンションの下まで送ると
「聡志さん、うち上がっていきます?」
据え膳食わぬは男の恥
酔った勢いもあり、美穂の部屋に入った

カーペットに腰を下ろした時
美穂のスカートから下着が覗いた

僕の理性は飛んでしまった
美穂のことは好きでもなかったし
ましてや部下
しかも知り合って間もない

駄目だと頭では理解しつつ
美穂の口に含まれた僕の性器は抑えが効かなくなっていた
下着をずらし
騎乗位で下から突き上げる
必死に腰を振る


終わった後、後悔の念が押し寄せてくる
美穂は恐らく僕のことが好きだったのだろう
「泊っていきますよね?」
(帰りたいんだけど)
「うん」

朝が来て美穂の部屋を一緒に出て別れた後、
どうやってなかったことにするか、考えた。

その日の夕方に会った時
美穂にははっきり告げた
「ゴメン。昨日のことはなかったことにしてくれ」

最低な男がそこにいた。

それからしばらく何事もなかったかのように一緒に働いた
美穂は僕のことをどんな風に思っていたのだろう
あんな一方的な言葉に納得できたのだろうか



「私、擦れた男が好きなんです。」

美穂はそう言って笑った。