大学生活も残り1年 就活で慌ただしくなる同級生。 金髪にしていた奴も黒髪に戻し始めた頃 僕は金髪坊主にした。 そういうところが、僕にはあった。 世の中の流れに反発するような 敢えてレールから外れるような だから、就活もしなかった コンビニのバイトは辞めて、ラーメン屋のバイトを始めた。 取り憑かれたようにバイトに明け暮れた。 ラーメン屋のバイトは楽しかった。 雇われ店長の加藤さん ギターを愛する松森さん バイト想いの市木さん ちょっとセクシーな由香さん その由香さんと不倫をしている太利さん ヤンキー姉さん美樹さん 同じ学生のチャーリー アル中の緒方さん 個性の強い人たちばかりで、気は紛れた 一度、美樹さんに酔った勢いで犯されそうになった。 由香さんは店のお金を取って逃げた 加藤さんとはいろいろ話した。 奥さんとは離婚して、男手一つで女の子三人を育てている。 松森さんはラーメン作りながら大声で歌っている 緒方さんは、いつもポケットに酒を忍ばせていた。 チャーリーは宗教の勧誘をしつこくしてきた まともな人は一人もいなかった。 それが良かったのかもしれない。 栞がいない日常に慣れてきた。 淋しさは自慰行為で紛らわした。 就職活動もせず、卒業後の進路も決まらないまま、22歳の誕生日を迎えた。