そこに浩二がいた。 僕がいた場所に浩二が座っていた。 カレーライスが二つ並べられていた 僕のためにではなく 浩二のために。 僕は栞をなじっただろうか。 浩二を殴っただろうか。 記憶が曖昧だ。 ただ なじったにせよ、なぐったにせよ 栞の気持ちが離れたことだけは分かった 何を言っても、何をしても、もう戻らない それだけは分かった。。 「栞に会いたいな」 空を見上げてつぶやいた 「栞と話したいな」 何度も思った 「栞だったら、なんて言うかな」 心の中の栞と会話した 言葉は空に消え 想いは燻ぶった 「同じ空見てんのかな」 栞の無事を祈った