「聡志の話し方好きよ」 栞はいつもそう言ってくれた それまで人と打ち解けたことのない僕の話を 栞はいつも真剣に黙って聞いてくれた 時々笑いながら あの笑顔が忘れられない なんでも話せた それまで話せなかった分 言葉が溢れた 恋でもない 愛でもない 魂が引き寄せられるような 求めていた答えが分かったような 欠けていたピース 孤独を埋めるように 栞は栞で闇を抱えているような 危なっかしさも持ち合わせていた いつか壊れてしまうんじゃないか 「私は誰とでもできるんだよ」 初めて結ばれた日 栞はそう言った