坂くん、ごめんよ 栞のことは君が先に好きだったのに 相談もされていたのに 僕が付き合ってしまった だから僕を殴ってくれないか 「いいですよ。しょうがないです」 「聡志のこと私が先に好きになったのに。。。」 栞は栞で親友の美香を裏切った形になってしまった。 周りの人を裏切って 傷つけて でも 一緒にならないことは選べなかった S極とN極のように、引っ付かずにはいられなかった
本大好きサラリーマンの小説⑨~新しい生活~
大学2年生19歳の秋 僕たちは付き合うことになった あのときの空を忘れない あのときの花の匂いを忘れない 今でも、あのときの空を感じるときがある あのときの匂いがするときがある いつも栞を思い出す 付き合ってからの日々は楽しいかった 僕にとっては初めての彼女 すべてが新鮮だった お互いのマンションが近かったこともあり 僕たちは毎日会った 栞が作ってくれたかつ丼は絶品だった 僕の部屋で食べた納豆ご飯も絶品だった 二人で笑いながら食べた 何をするのも楽しかった そんな日がずっと続くと、本気で思っていた。
本大好きサラリーマンの小説⑧~始まり~
三日三晩 悩んだ 考えた 「私は誰とでもできるんだよ」 そう言った栞 固定電話の線抜いて 誰からも電話がかかってこないように 考えた 悩んだ 泣いた そんなことを言ってしまう栞がかわいそうだと思った 過去に何があった? 危なっかしい 壊れてしまいそうな 栞の心を守りたいと思った そばにいたいと思った 「俺たち、付き合おう」 そうやって僕たちの関係は始まった 恋とは違う 愛とも違う すぐに壊れてしまいそうだった そんな関係
本大好きサラリーマンの小説⑦~散歩~
今度二人で散歩しよう。 行ってみたいところがあるんだ。 「いいよ」 栞は微笑みながらそう言った。 初めてのデートで散歩なんて古臭いよね。 「いい。行ってみたい」 西八王子から中央線で立川まで。 昭和記念公園。 ただ歩いて、いろんな話をした。 きっと僕の方が一方的に喋っていた。 栞はうなづきながら、ただ聞いてくれた。 それが心地よかった 「聡志の話し方、好きよ」 今思えば、栞のその言葉に甘えていたのだと思う。 栞の本心が、最後まで分からなかった。
本大好きサラリーマンの小説⑥~セックスのあとで~
「私は誰とでもできるんだよ」 終わった後、ベッドの中で栞はそう言った 僕にとっては初めての人で、セックスというものを初めて知った直後にそう言われた。 なんでそんなこと言うんだよ なんでそんな自分を傷つけるようなこと言うんだよ 「出ていってくれないか」 ショックと混乱で、そう言うのがやっとだった。 悲しい表情を浮かべて栞は出ていった。 あのとき 栞はどんな気持ちで その言葉を口にしたのだろう ただの遊びだったのだろうか。 初めて、自分の内面を話せる人ができたと思った その人と結ばれて幸せを感じていた直後 そう言われた。
本大好きサラリーマンの小説⑤~孤独を埋めるように~
「聡志の話し方好きよ」 栞はいつもそう言ってくれた それまで人と打ち解けたことのない僕の話を 栞はいつも真剣に黙って聞いてくれた 時々笑いながら あの笑顔が忘れられない なんでも話せた それまで話せなかった分 言葉が溢れた 恋でもない 愛でもない 魂が引き寄せられるような 求めていた答えが分かったような 欠けていたピース 孤独を埋めるように 栞は栞で闇を抱えているような 危なっかしさも持ち合わせていた いつか壊れてしまうんじゃないか 「私は誰とでもできるんだよ」 初めて結ばれた日 栞はそう言った
本大好きサラリーマンの小説④~東京の片隅で~
ずっと孤独だった 家族と一緒に住んでいるときも 友達といるときも 誰にも本心は見せられなかった だから 友達は極端に少なかった 母からはいつも「お前は何を考えているかわからない」 と言われ続けた 大学進学 東京で一人暮らし 独りは平気だと思ってた 誰にも干渉されず 起きたいときに起きて 寝たいときに寝る 西八王子の川沿いのマンションの一室 それまでは 誰かといるときの孤独 それからは 物理的に一人の孤独 話し相手もいない 疲れてもいないから 夜寝られない そんなとき始めたコンビニバイト 大学の友達とは違う仲間ができたようで楽しかった 学校の先生とは違う大人、店長 新聞記者になることを夢見る先輩 生意気な高校生 同級生なのにコンビニ歴が長い理由で いつまでも先輩風吹かせてた奴 いろんな人が働いていた 深夜勤務をするようになり 朝、起きられず大学は休みがちになった 自分がいなくても成り立つ学校 自分がいなくてもいつもと変わらない教室 自分がいないと困るアルバイト 誰かに頼りにされるのが嬉しかったんだ いつも俯いていた いつ死んでもいいと思っていた 自分などいなくても誰も困らない そんな風に思って生きていた そんなとき 目の前に 君が現れた
2024.1.19(金)本大好きサラリーマンの小説③~出会い~
深夜のコンビニ いつもの偏頭痛 そんな中、君が現れた それまでも人を好きになったことはあった それからも人を好きになったことはあった でも あの時の あの感情は 「好き」という言葉じゃない 「愛」という言葉でもない 19歳の僕が「愛」なんて言葉の意味も分からない ただ 惹かれた 作ってくれたおかゆが、沁みた
2024.1.18(木)本大好きサラリーマンの小説②~出会い~
コンビニでバイト中 後輩が連れてきた仲間の中に 君がいた
2024.1.17(水)本大好きサラリーマンの小説①~こんな始まりで~
もう必要ないだろ? 捨てろよ
僕が勝ってあげた指輪を
彼女はためらいながら川に投げ入れた。
こうして僕たちの恋は終わった。
こんな始まりで小説書きたいな。