本大好きサラリーマンの小説㉞

「店長は将来何をしたいんですか?」

「俺、本を書きたいんだ」

「店長なら書けますよ」

有沙の無邪気な笑顔

遠慮のない言葉が僕を勇気づけてくれた

この恋はいつ終わるのだろう

幸せであればあるほど

絶頂であればあるほど

その反対にある別れを僕は恐れた

一瞬一秒を心に焼き付けるように

どんな場面も思い出せるように

心に刻んだ



相手の気持ちが冷めていくのがわかることほど辛いものはない

でも、僕は感じた

いつからか、メールの返信が遅くなったり

そっけない内容が続くようになり

終わりを悟った

栞のときのように

僕は悟った


恋はいずれ終わる

そのまま枯れるのか

愛に育つのか

血の繋がりのない愛はあるのだろうか

僕の魂は、今を生きているだろうか



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