誰かを好きになる度に 栞のことを思い出す 栞に語りかける 智美に話して以来 栞のことを人に話したことはない 自分の恋愛を人にはなすとき 自分の過去を話すとき 栞のことは話さない でも、多分あそこにいたのが本当の自分で それを知っているのは栞だけ 幻想なのだろうか 今会ったら幻滅するのだろうか 過去をさまよいながら生きている 栞のことを思い出す時 僕は独りになる 独りを感じる時 栞を思い出す 一人じゃないって思える 矛盾してる 独りを感じる時 栞に話しかける 僕は今どこを歩いているのだろうか 僕は正しい方向へ向かっているのだろうか 僕は今、自分に正直に生きているのだろうか 栞 今でもたまに夢に出てくる 目が覚めた時 このまま目が覚めなければいいのにって思う 夢の中ではいつも笑っている