本大好きサラリーマンの小説㉖

栞のことを恨んだことがあるだろうか

栞に復讐してやろうと思ったことがあるだろうか

23歳

栞が東京に来る

川崎で待ち合わせた僕たちはラブホテルに直行した

浩二とは続いているようだった。

「俺とは1年しか付き合えなかったのに。。。」

そんな風に思った。

これからセックスするのかな。

多分するんだろうな。

だからここに来たんだ

先にシャワーを浴び、栞がシャワーを浴びるのを待った。

丸見えだ。

ラブホテルってこんなんなんだ。

そりゃそうだよな、そういうことをするところだもんな。

そんなことを考えていた。

最初僕は勃たなかった

悪いことをしているという良心への呵責か。

そのまま何事もなく朝を迎え別れていればよかったのだろうか

夜中目が覚めた。

栞も寝ていなかった

僕たちは再び抱き合った

求めあった

栞は泣いていた

ホテルを出た後、近くのカフェで朝食をとり

僕たちはあっさり別れた

いや、僕があっさりその場を立ち去った

栞はあのとき泣いていたのだろうか

僕は復讐を果たしたと思ったのだろうか

この夜のことが、栞を深く傷つけたなんて思いもしなかった

僕の中の良心や誠実さや正義感やモラルが

崩壊しつつあった

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