ずっと孤独だった 家族と一緒に住んでいるときも 友達といるときも 誰にも本心は見せられなかった だから 友達は極端に少なかった 母からはいつも「お前は何を考えているかわからない」 と言われ続けた 大学進学 東京で一人暮らし 独りは平気だと思ってた 誰にも干渉されず 起きたいときに起きて 寝たいときに寝る 西八王子の川沿いのマンションの一室 それまでは 誰かといるときの孤独 それからは 物理的に一人の孤独 話し相手もいない 疲れてもいないから 夜寝られない そんなとき始めたコンビニバイト 大学の友達とは違う仲間ができたようで楽しかった 学校の先生とは違う大人、店長 新聞記者になることを夢見る先輩 生意気な高校生 同級生なのにコンビニ歴が長い理由で いつまでも先輩風吹かせてた奴 いろんな人が働いていた 深夜勤務をするようになり 朝、起きられず大学は休みがちになった 自分がいなくても成り立つ学校 自分がいなくてもいつもと変わらない教室 自分がいないと困るアルバイト 誰かに頼りにされるのが嬉しかったんだ いつも俯いていた いつ死んでもいいと思っていた 自分などいなくても誰も困らない そんな風に思って生きていた そんなとき 目の前に 君が現れた